要点

  • 特定口座からの取り崩しは、譲渡益(利益部分)にのみ20.315%が課税されるため、含み益50%の場合の実効税率は売却代金全体の約10%になる
  • 資産寿命は取崩率と運用利回りだけで決まり、資産額の大小には左右されない
  • 手取りベースで一定額を確保しようとすると額面の取崩率を引き上げる必要があり、その分資産寿命は短くなる
  • 実効税率は含み益の割合(買値からの倍率)によって変わり、値上がりするほど税負担は重くなる
  • 譲渡益への課税(20.315%)は、成立済みの2027年以降の税制改正を経ても当面同水準が続く

特定口座から年間100万円を取り崩しても、手元に100万円は残りません。譲渡益に20.315%がかかるためです。ただし課税されるのは売却代金のうち利益の部分だけで、買値から2倍になった資産なら実効税率は約10%。3,000万円を年4%取り崩す場合、額面120万円に対して手取りは約107.8万円(月約8.98万円)です。以下、資産額別の一覧にしました。

税引後の手取り額(年額)

売却代金のうち50%が利益(=買値から2倍になった状態)の場合。

資産額・取崩率別の税引後の手取り額(月額・年額)
資産額3%4%5%
500万円月1.1万円年13.5万円月1.5万円年18.0万円月1.9万円年22.5万円
1,000万円月2.2万円年27.0万円月3.0万円年35.9万円月3.7万円年44.9万円
1,500万円月3.4万円年40.4万円月4.5万円年53.9万円月5.6万円年67.4万円
2,000万円月4.5万円年53.9万円月6.0万円年71.9万円月7.5万円年89.8万円
2,500万円月5.6万円年67.4万円月7.5万円年89.8万円月9.4万円年112.3万円
3,000万円月6.7万円年80.9万円月9.0万円年107.8万円月11.2万円年134.8万円
3,500万円月7.9万円年94.3万円月10.5万円年125.8万円月13.1万円年157.2万円
4,000万円月9.0万円年107.8万円月12.0万円年143.7万円月15.0万円年179.7万円
4,500万円月10.1万円年121.3万円月13.5万円年161.7万円月16.8万円年202.1万円
5,000万円月11.2万円年134.8万円月15.0万円年179.7万円月18.7万円年224.6万円
5,500万円月12.4万円年148.2万円月16.5万円年197.7万円月20.6万円年247.1万円
6,000万円月13.5万円年161.7万円月18.0万円年215.6万円月22.5万円年269.5万円
6,500万円月14.6万円年175.2万円月19.5万円年233.6万円月24.3万円年292.0万円
7,000万円月15.7万円年188.7万円月21.0万円年251.6万円月26.2万円年314.4万円
7,500万円月16.8万円年202.1万円月22.5万円年269.5万円月28.1万円年336.9万円
8,000万円月18.0万円年215.6万円月24.0万円年287.5万円月29.9万円年359.4万円
8,500万円月19.1万円年229.1万円月25.5万円年305.5万円月31.8万円年381.8万円
9,000万円月20.2万円年242.6万円月27.0万円年323.4万円月33.7万円年404.3万円
9,500万円月21.3万円年256.1万円月28.5万円年341.4万円月35.6万円年426.8万円
1億円月22.5万円年269.5万円月29.9万円年359.4万円月37.4万円年449.2万円
1.5億円月33.7万円年404.3万円月44.9万円年539.1万円月56.2万円年673.8万円
2億円月44.9万円年539.1万円月59.9万円年718.7万円月74.9万円年898.4万円

500万円

3%

月1.1万円年13.5万円

4%

月1.5万円年18.0万円

5%

月1.9万円年22.5万円

1,000万円

3%

月2.2万円年27.0万円

4%

月3.0万円年35.9万円

5%

月3.7万円年44.9万円

1,500万円

3%

月3.4万円年40.4万円

4%

月4.5万円年53.9万円

5%

月5.6万円年67.4万円

2,000万円

3%

月4.5万円年53.9万円

4%

月6.0万円年71.9万円

5%

月7.5万円年89.8万円

2,500万円

3%

月5.6万円年67.4万円

4%

月7.5万円年89.8万円

5%

月9.4万円年112.3万円

3,000万円

3%

月6.7万円年80.9万円

4%

月9.0万円年107.8万円

5%

月11.2万円年134.8万円

3,500万円

3%

月7.9万円年94.3万円

4%

月10.5万円年125.8万円

5%

月13.1万円年157.2万円

4,000万円

3%

月9.0万円年107.8万円

4%

月12.0万円年143.7万円

5%

月15.0万円年179.7万円

4,500万円

3%

月10.1万円年121.3万円

4%

月13.5万円年161.7万円

5%

月16.8万円年202.1万円

5,000万円

3%

月11.2万円年134.8万円

4%

月15.0万円年179.7万円

5%

月18.7万円年224.6万円

5,500万円

3%

月12.4万円年148.2万円

4%

月16.5万円年197.7万円

5%

月20.6万円年247.1万円

6,000万円

3%

月13.5万円年161.7万円

4%

月18.0万円年215.6万円

5%

月22.5万円年269.5万円

6,500万円

3%

月14.6万円年175.2万円

4%

月19.5万円年233.6万円

5%

月24.3万円年292.0万円

7,000万円

3%

月15.7万円年188.7万円

4%

月21.0万円年251.6万円

5%

月26.2万円年314.4万円

7,500万円

3%

月16.8万円年202.1万円

4%

月22.5万円年269.5万円

5%

月28.1万円年336.9万円

8,000万円

3%

月18.0万円年215.6万円

4%

月24.0万円年287.5万円

5%

月29.9万円年359.4万円

8,500万円

3%

月19.1万円年229.1万円

4%

月25.5万円年305.5万円

5%

月31.8万円年381.8万円

9,000万円

3%

月20.2万円年242.6万円

4%

月27.0万円年323.4万円

5%

月33.7万円年404.3万円

9,500万円

3%

月21.3万円年256.1万円

4%

月28.5万円年341.4万円

5%

月35.6万円年426.8万円

1億円

3%

月22.5万円年269.5万円

4%

月29.9万円年359.4万円

5%

月37.4万円年449.2万円

1.5億円

3%

月33.7万円年404.3万円

4%

月44.9万円年539.1万円

5%

月56.2万円年673.8万円

2億円

3%

月44.9万円年539.1万円

4%

月59.9万円年718.7万円

5%

月74.9万円年898.4万円

前提: 特定口座・含み益50%と仮定/税率20.315%(復興特別所得税含む)は含み益部分にのみ適用/月額=年額÷12・小数第1位まで/前提が変われば数字は変わります(1円単位で示さないのはそのためです)

表だけ引きたい方は/hayami/にも同じ表を置いています(ブックマーク推奨)。

内訳(売却額と税額)

資産額・取崩率別の売却額と税額の内訳(含み益50%の場合)
資産額3%売却額3%税額4%売却額4%税額5%売却額5%税額
1,000万円30.0万円3.05万円40.0万円4.06万円50.0万円5.08万円
2,000万円60.0万円6.09万円80.0万円8.13万円100.0万円10.16万円
3,000万円90.0万円9.14万円120.0万円12.19万円150.0万円15.24万円
5,000万円150.0万円15.24万円200.0万円20.32万円250.0万円25.39万円
1億円300.0万円30.47万円400.0万円40.63万円500.0万円50.79万円

計算の前提

  • 口座: 特定口座(源泉徴収あり)。NISA口座からの取り崩しは非課税なので、その分は税額ゼロで読み替えてください
  • 税率: 譲渡益に20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)
  • 含み益: 売却代金のうち50%が利益。したがって売却代金に対する実効税率は 20.315% × 50% = 10.1575%
  • 取り崩し方式: 定額(毎年おなじ金額を売却)

計算式は次の1行だけです。読者ご自身の数字で再計算できます。

手取り = 資産額 × 取崩率 × (1 − 20.315% × 売却代金に占める利益の割合)

自分の含み益で読み替える

上の表は「買値から2倍」を前提にしています。実際の倍率は証券会社の残高画面で確認でき、下表で実効税率に読み替えられます。

買値からの倍率別の実効税率と手取り率
買値からの倍率売却代金に占める利益の割合実効税率手取り率
1.5倍33.3%6.77%93.23%
2倍(上表の前提)50.0%10.16%89.84%
3倍66.7%13.54%86.46%
5倍80.0%16.25%83.75%
NISA口座0%100%

特定口座では、平均取得単価にもとづいて売却代金を「元本の払い戻し部分」と「利益の部分」に按分して課税します。この比率は売却しても変わらないため、取り崩しを続けても実効税率は同じ水準で推移します(値上がりすると利益の割合が上がり、実効税率も上がります)。

その資産は何年もつか

資産寿命は取崩率と運用成果で決まり、資産額には左右されません。1,000万円でも1億円でも、年4%ずつ取り崩せば同じ年数です。

インフレ調整後(実質)の利回りを0%・1%・2%と置いた場合の目安です。

取崩率・実質利回り別の資産持続年数の目安(額面ベース)
取崩率実質0%実質1%実質2%
3%33.3年40.7年55.5年
4%25.0年28.9年35.0年
5%20.0年22.4年25.8年

税を引いた後の金額で考えると、年数は縮む

上表は売却額(額面)ベースです。しかし実際に使えるのは税引後の金額なので、手取りで4%相当を確保しようとすると、額面では4.45%を売ることになります。その分、資産の減りは早くなります。

手取りベースの取崩率別の必要な額面取崩率と資産持続年数の目安
手取りベースの取崩率必要な額面取崩率実質0%実質1%実質2%
3%3.34%29.9年35.8年46.1年
4%4.45%22.5年25.6年30.1年
5%5.57%18.0年19.9年22.5年

額面4%なら25.0年、手取り4%なら22.5年。税を織り込むかどうかで2年半の差が出ます。

この表が扱っていないこと

一覧表は前提を固定して初めて成立します。次の要素は含まれていません。

  • 社会保険料や各種判定への影響: 特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選べば譲渡益は合計所得金額に含まれませんが、確定申告をすると含まれ、国民健康保険料・後期高齢者医療の負担割合・住民税非課税の判定などに波及することがあります。手取りに効く要素としてはむしろこちらが大きい場合があります
  • 口座の使い分け: 特定口座・NISA・iDeCoのどれから先に崩すかで税額は変わります
  • 配当・分配金: 売却による取り崩しのみを計算しています
  • 定率取り崩し: 毎年の残高に率を掛ける方式では、金額も資産寿命も上表とは異なります
  • 公的年金: 年金収入との合算による課税は考慮していません

税率は2047年まで続く見込み

譲渡益にかかる20.315%のうち0.315%は復興特別所得税です。これは2037年で終了する予定でしたが、2026年3月31日に成立した「所得税法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第12号)により、2027年から復興特別所得税を2.1%→1.1%に引き下げると同時に防衛特別所得税1%を新設し、復興特別所得税の課税期間を2047年まで10年延長することが決まりました。上乗せの合計は2.1%のままなので、税率20.315%は当面変わりません

2048年以降は復興分がなくなり防衛分のみとなるため、20.15%になる見込みです。上の資産寿命の表が示す20年〜30年という時間軸では、ほぼ全期間で20.315%と考えて差し支えありません。

※ 施行後の運用の詳細は国税庁の公表資料をご確認ください。

よくある質問

Q. 取崩率は何%が正しいのですか
A. 本記事は3%・4%・5%を計算の刻みとして並べたもので、特定の率を推奨するものではありません。適切な率は年金収入・生活費・資産構成・想定年数によって変わります。

Q. なぜ税率が20.315%ではなく約10%なのですか
A. 20.315%がかかるのは売却代金全体ではなく、そのうちの利益部分だけだからです。売却代金の半分が利益なら、売却代金に対する負担は約10%になります。

Q. 取り崩しを続けると含み益の割合は減りますか
A. 減りません。特定口座は平均取得単価で按分するため、売却後も残った資産の含み益の割合は変わりません。値上がりすれば上がります。

Q. NISA口座の場合はどうなりますか
A. 譲渡益が非課税なので、売却額がそのまま手取りになります。上表の「売却額」の列をそのまま読んでください。

Q. 1億円と1,000万円で資産寿命が同じなのはなぜですか
A. 資産寿命は「取崩率」と「運用成果」だけで決まり、金額の大小には依存しないためです。年4%ずつ取り崩す限り、元本の何倍を持っていても同じ年数になります。


出典: 国税庁「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」/ 財務省「令和8年度税制改正」(所得税法等の一部を改正する法律・令和8年法律第12号)

更新履歴: 2026-07-31 公開 / 2026-08-28 税制改正が大綱段階から成立済みになったことを反映(税率20.315%に変更なし)

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